MGズゴック、汚し塗装スタートです。
前回記事では基本塗装というか筆塗りでの着色方法の手順をまとめました。
僕の汚し塗装のお作法や流れについて。
僕の汚し手法を大まかかに分けると1.影色や補色差し込んだりブワッと広がる汚い色を塗るとかの【色味の調整】か、2.雨垂れやチッピングなど汚れた様を表現する【模様の描き込み】のどちらかで、それを何セットか重ねることによって汚れた様を表現しています。
また、原則【色味の調整】をする場合には塗装をする面が【艶消し〜半光沢】状態になっている時に塗る方がボカしたり滲ませたりして色味を調整する時に都合が良くて、反対に【模様の描き込み】に関しては塗料を滲ませたくないとか、雨垂れの等の線を伸ばしやすかったり、ミスっても直しがしやすい【光沢面】の上から書き込む事を基本としています。
具体的に塗装(汚し)手順を流れでまとめてみると……。
- 基本塗装後に塗面を艶消し~半光沢程度に調整する。
- エナメル塗料やウェザリングカラーなどで色味を調整する(泥など錆などの汚し表現に限らず影色やハイライトを塗るとかする)。
- 水転写デカールを貼る。
- 光沢クリアを吹き付けてデカールと2の工程で塗った色を保護する。
- 光沢面の上からチッピングや雨垂れ等描き込み系の汚しをする。
- 描き込みが済んだら保護&全体の艶の調整の為に最終のトップコート。
- 【艶消し~半光沢程度】になっているはずなので最終的に色味等、汚塗装の調整をしてフィニッシュ。
ざっとこんな感じ。
しかし僕はフィーリングというかノリと勢いでプラモを塗っているので順番が前後したり汚しを重ねる回数が増えてしまったり想定外が色々ありますが何とかなるもんです。Let'sトライ&エラーです……エラー?
ホントにケースバイケースなので上記ルールに当てはまらない事もしたりもします。皆もフィーリングでゴリゴリ汚そう!
エナメルでドッティング。【色味の調整】
戦車模型とかではお馴染みの手法ドッティング。基本は油彩絵具でやるっぽいんですがエナメル塗料を使って似たような事が出来ます。
今回はスーパーファミコンのボタン色を適当にペタペタ置いてボカしましたが、イエローがちょっと悪目立ちというかレモンの皮を囓った時の渋み?苦み?のような後味の悪い色(どんな色だ?)が残った気がするので次回はオレンジとか茶色に置き換えようと思いました。
さて。実はこの工程でも想定外に遭遇したのですが、全パーツにペタペタ一気に色を置いてからエナメル溶剤でボカそうとしたらですね……エナメル塗料がやたら下地に食い付いて固着して全然ぼかせないってか落とせませんでした。
過去にこんなに頑固にエナメル塗料が溶剤で擦っても落ちなかった事は無かったので、もしかすると塗料が古くなって(開封後3年〜4年選手がザラ)たのも原因なのかな? まぁエナメルでドッティングする場合は色を置いたら極力素早くボカし作業に入った方がいいな!と改めて思いました。
ぼかしのコントロールが上手く出来なかったのであんまりプラスの方向に変化は無かったかもな。
寒色系フィルタリキッドで色味の調整。【色味の調整】
本来は影になりそうな場所だったりに色を置いてボカして馴染ませて……といった使い方をしていたフィルタリキッドシリーズでしたが、全体的に白っぽく淡い感じになったズゴック色をビシッとさせたくて試しに…というか縋るような気持ちでジャブジャブと塗りたぐりりました。
暖色系フィルタリキッド+ウェザリングカラーで更に色味の調整。【色味の調整】
フィルタリキッドの緑と青は全面に染みこませるように塗りましたが、フィルタリキッドのレイヤーバイオレット(紫)とグレーズレッドは(赤)入り組んだ場所だったり影になって欲しい部分に狙って色を置いて程よくボカして残すという使い方をしました。
色の強弱というかコントラストがパキッとして良い感じになってきて一安心。
ここまでの工程って"色の調整"であって"汚し"とは違うかもな。どっちか言うとエイジング加工をしたというか……あぁそれでウェザリング(風化)って言うのか……今更(笑)
デカールを貼る。
ふゆふゆさん(@huyu_od) サンキュー!!!(組んだデータをプリントしてもらった)
これまで水転写デカールを貼る時にソフターをパーツとデカールの間に塗って塗面の凹凸とデカールをビタッと隙間無く追従させる方法でシルバリングを防いできたのですが、水性塗料の場合にソフターが塗面を侵す場合が有るとの事なのでデカールを貼り付ける前に一発ラッカー塗料のクリアー層を挟む事にしました。
それを気にするなら水性塗料の塗膜の上からラッカー塗料吹き付ける方がヤバくない???って話ですが、うっすらうっすら砂吹きっぽく乗せてから本吹きする〜みたいなやり方で吹いてみた所僕は大丈夫と判断しましたよ。
デカールを貼り付けた後は、デカールの段差のカモフラージュと、この後の工程のことも踏まえて再度光沢クリアを多めに吹き付けました。
スポンジとかペンとか使ったチッピング【模様の描き込み】
薄めると色がブワッと広がって点々模様にならんことが多いのでスポンジチッピングする時に僕は塗料を極力希釈しません。
スポンジチッピングは狙った範囲に無造作に模様(塗装禿げの表現)を足せるのがメリットなんですが、こちらのペンは狙った所に狙った量だけ模様を足せるので、スポンジと併用する事でチッピング表現の調整がはちゃめちゃしやすくなりました。
また、乾燥前であれば指でペッ!としてやれば楽に拭き取れるのも便利です。
それでいて乾燥後はラッカーの吹き付けとか、各種溶剤でも溶けないのも都合が良いんですね。
えぬせマン(@nseman) サンキュー!!!(以前このペンの便利さを教えてもらった)
ストレーキングで雨垂れ的な記号を書き込む。【模様の描き込み】
スススを吹いてチッピングやストレーキングなど"描いた模様を保護"する。
描き込みも一段落したので、様子を見る意味でも艶消しコートを吹き付けてみます。
ここで一区切り。
冒頭の流れでいうと最後の艶消しを吹いたので残りは微調整程度となるはずでしたが、艶消しコートが効き過ぎて色だったり、描き込んだ模様だったりが沈みすぎて、あまり味気ないというか面白くない印象。
ここから、あーでもないこうでもないと追加でなんやかんや塗ったりしてメチャクチャかっこいい蟹に仕上がるんですが……記事がべらぼうに長くなっちゃう(既に長い)ので一度ここで区切って、別の記事でフィニッシュまでをまとめます。
格好いい作例を決められた期間内に仕上げているのはもちろん、簡潔で分かりやすい文章、見せるべき途中工程カットの選別してる模型誌ライターさんって色々とすげぇなって改めて思いますね。自分はこんなに長い記事を書いてると。それじゃ!!おしまい!!またね!!!