プラモデルの塗装表現の中でもポピュラーな汚し表現"ウェザリング"この記事では、普段僕がおこなっているガンプラ ウェザリング塗装の工程を紹介したいと思います。
ガンプラのウェザリングはやりすぎると途端にチープに見えたりもしますが、まずは"やり過ぎてみないと"塩梅って分からないと思うので初心者、不慣れな内は気にせずドンドンやり過ぎたら良いと思います。何だかんだ言ってドロドロにするのメチャクチャ楽しいので!
塗る前に。物理的に傷をつけって表現するダメージ表現。
ウェザリングでは塗装で色々な表現をする事が多いのですが、まず塗る前に物理的にパーツに傷を付けるという方法も大変有効です。
当たり前ですが実際に傷(凹凸)があった方が説得力というかリアリティが増すと思います。
もちろんそれっぽい傷を表現する力も必要かとは思いますが、まずはやってみないことには違和感にも気がつけないと思いますし、最悪失敗しても誰にも怒られないので一度思っているよりも派手に汚してみると何かしら掴める物があるかもしれませんよ。
ダメージ加工に関しては上記2記事も合わせてご覧下さい♪
ウェザリング塗装の一番最初!基本(グラデーション)塗装。
さっそくですがこの工程が後々の"らしさ"に大きく影響するんですが、ウェザリング前の下地はコントラスト強めにグラデーション塗装をします。
ウェザリングの工程を進めて行くと、どうしても色が沈んでいく(暗い所がドンドン暗くなる)ので、基本色に白を足すなど最終的に塗り上げたい色味に対して極端に明るい感じのグラデーション塗装を目指すと良いと思います。
グラデーション塗装しないと駄目?無塗装ではウェザリングは出来ない?
といいつつ。下地のグラデーション塗装はやる気とご家庭の事情に合わせてご自由にどうぞ。もちろんべた塗りや、未塗装の整形色からだってウェザリングは存分に楽しめます。
しかし。パーツにウェザリング用の塗料を乗りやすくさせるため、前準備として艶消し~半光沢スプレーだけは(要はパーツをザラザラに)しておいた方が良いでしょうね。全然塗料の残り方が違うので。
汚し塗装だけど、綺麗なエナメルカラーを使用したドッティング。
エナメルカラーの 赤、青、緑、黄色辺りを使って、上記画像のようにペタペタとランダムに色を置いた後に……。
極力、縦運動を意識してサッとエナメル溶剤をつけた筆や綿棒で拭き取ります。すると何となく下地にカラフルな色味が残って混ざって、良い感じに情報量が増えます。もともとはAFV(戦車模型)では油彩絵の具を使う手法だったと思うのですが、僕は手に入りやすいのでエナメルカラーを使用しています。
※ エナメル溶剤はプラに浸透して少なからずダメージというか割れ等の破損リスクを孕みます。細かい事はここでは触れませんが、その辺注意しながら楽しんでみてください。
似たような感じで、クレオス Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッドシリーズも便利で楽しいです。
シャドー入れ。メリハリだけじゃ無く宇宙でのスス汚れなんかの演出にもgood!
パーツのキワの部分、モールド沿い、太ももの内側の上の方などそもそも影になりそうな部分や、くぼんでいる部分などにエナメルカラー等を使用して影色なのかすすけた感じなのか?そんな小汚さを進んで足します。
僕は薄く希釈した塗料をドライブラシよりはウェット位の塩梅に調整した筆で該当箇所をペシペシと塗り、軽く乾いた段階で今度は溶剤のみをガッツリ拭き取ったドライブラシ状態の筆で境目等を暈かす手法が好みです。
エナメルカラーってプラが割れちゃうんじゃないの?という心配もおありでしょう。
案外エナメルで割れてしまうようなシチュエーションを避けさえすれば中々プラは割れないんですけど、心配な場合は上記のウェザリングカラーシリーズを用いると、何も考えずともそうそう割れないのでこちらを使用しちゃうのがお勧めです。
ハイライトの差し込んでメリハリを付ける。
上記シャドー入れと逆で、光が当たりそうな部分にハイライト(画像では黄色)を足したりもします。それっぽい場所にハイライトが入ると劇的に模型が盛り上がります。やるじゃん!俺!!と自分を褒めたくなる楽しい工程です。皆さんも褒められてください。自分に。
この作業僕はクレオス Mr.ウェザリングカラー マルチホワイトとホワイトダストを使う場合が多いです。瓶の底に溜まった濃い塗料を細い筆にちょびっとだけつけて、筆の腹でトトトっとエッジに乗せると…ムフフ…… といった気分。とても良い感じになるので是非お試しあれ。
これもガンプラウェザリングで人気の手法。スポンジチッピング。
多少薄めたエナメルカラーのグレーや黒をスポンジを千切った断面にちょんちょんとつけて、スタンプを押すようにポスポスと繰り返しパーツに当てます。この際1色だけじゃ無く、同じグレーでも明るいグレー、暗いグレーと言った具合に色味(明度)を変えながらポスポスするとそれっぽくなるんじゃ無いかと思います。
足下の泥汚れにも Mr.ウェザリングカラーシリーズが便利。
陸戦等を想定して足下には"泥汚れ"を施すことが多いです。 この工程ではクレオス ウェザリングカラーシリーズのサンディウォッシュとグランドブラウンが特に便利で愛用しています。
サンディウォッシュで乾いた土汚れ。まだ湿っている土汚れにグランドブラウン。境目もお互い良い感じに勝手に混ざってくれるのでとってもそれっぽくなりますね。最高です。
昔ながらの手法。えんぴつの粉をスリスリ。
暗めの色の武器類には、鉛筆を紙やすりの上でグリグリ擦って作った粉をまぶしたり、擦り付けたりすると上記画像のような渋いハードボイルドなカッコいい質感が出せます。ただコートを吹くとこの輝きが少し鈍くなるので、極力サッとコートを吹くと良いかと思います。
大人気・定番道具 ウェザリングマスター!
同じ要領で、タミヤのウェザリングマスターシリーズを要所要所に擦っていくのも大変リアルになるのでお勧めです。
これもトップコートを吹き付けたりすると質感が変わったりするので色々試してみましょう!
シルバーでのハゲチョロ。
細い筆等を使用して、エッジの頂点などにチマチマシルバーを置いて置くと真新しい傷感がでてグッドだと思います。場合よってはその上から更に黒等の色を重ねてもリアルっぽい感じになると思います。
ウェザリングやりすぎ?いやいや!恐れず楽しもう!
他にも色々やったりしますがこの記事ではここまで。如何ですか?ウェザリング塗装してみたくなりましたか?
そもそも。ガンダム(MS)って大体18m前後のサイズで宇宙やら海やら、山やら砂漠やらどこにでもいるじゃないですか?皆は実際そんなロボットや生き物を見たことありますか?僕はないです。
更にMSの素材はルナチタニウム合金・ガンダリウム合金とか得体の知れない謎の金属を採用。こんなんどう汚れていくのか?なんてもう誰も分からん。もぅハナからそれぞれの考えを楽しむ範疇。SFの醍醐味というか、こうしたら雰囲気出るかもな!知らんけど!ってな気概で「ガハハハ!!わかんねーな!!!ガハハハ!!!」と楽しむのが健全かと思います。徳光康之先生の言うとおり。「そこにワンダーはあるのかい?」です。
雑誌に載っているような、有無を言わさず情景を感じ、奥行きのあるこだわりの汚し仕上げなんかが施された作例は全く別物だとして、多少ラフにさっくり色々と省略して「おりゃー!!」と泥まぶして盛り上がるのも凄く楽しいです。「おぉ…よく分からんがリアルっぽい気がする!」この感覚もプラモデルを作る上で一つ大切にしたい気持ちです。