シアノンDW+ベビーパウダー+硬化促進剤。僕の印象だと雑誌に掲載しているプロのモデラーさん(ライターさん)や上手な人がこぞって使っているそんな印象でした。
皆がいうシアノン(シアノンDW)とはどんなマテリアル?
知っている人は「あぁシアノンでしょ。便利だよね。」としか思わないでしょうが、僕は10年位模型を離れていたのもあって、当初「シアノン?何者?」と思っていましたが、そんな人も少なくないのでは?
早速結論として"シアノン"こと『シアノンDW』の特長を簡単にまとめると……。
硬化速度がとても遅い、白くて削り心地に優れる瞬間接着剤です(瞬間とは?)。
ガイアノーツから瞬間カラーパテ ホワイト というシアノンDWに似ている雰囲気の商品が販売されています。僕は双方使ってみましたが殆ど似たような物として扱っても大丈夫でした。 ガイアノーツ 瞬間カラーパテに関しての細かいお話はこちら(ガイアノーツ 瞬間カラーパテ レビュー。気になるシアノンとの違いは?)からご覧下さい。
硬化速度の遅い瞬間接着剤+ベビーパウダー+硬化促進剤がプラモに何故便利なのか。
世のモデラー達が「シアノンを使った」と話していたら、シアノンDWとベビーパウダーを混ぜて合わせた(ホットケーキミックス程度の粘度に調整した)ペーストをパテの様に使った。という場合が殆どです。
硬化速度がとても遅い瞬感接着剤というのが最大のポイントで『シアノンDW+ベビーパウダーのペースト』だけでは、盛り付け後に自然乾燥させようとしても一生硬化しない?と思う位には硬化し始めません(液と粉の比率にも寄りますが平気で半日以上固まらないこともざらです)。
いつまでも硬化しないペーストは使い勝手がハチャメチャ悪そうに感じてしまいますが……決してそんな事はなくそれ故に便利なんです。
中々硬化しない=ゆっくり盛り付けを行う事が出来るので例えば、肉抜き穴が大量に有るキットに対峙した際など一度に沢山ペーストを用意してゆっくりまとめて盛り付け作業をする事が出来て作業の効率が良かったり、一気に作業をしないにしても硬化速度に追われて焦って盛り付けて切削の際に不都合が生じると言ったミスも減ります。
満足に盛り付け作業が済んだら今度は『硬化促進材』を振りかけること直ぐに硬化させる事が出来ます。
要は盛りの時間制限と硬化までの待ちの時間制限がシアノンDWペーストでは無くなるんです。
それって最高じゃないですか?
小学生の頃友達と喧嘩しながらやったボンバーマンの「リモコン爆弾」を思い出す卑怯臭さです(半分以上の読者の方には伝わらない気がする)。
似たようなパテとしてアルテ……じゃなくて、クレオスの瞬間接着パテ(SSP)も便利なマテリアルですが逆に数分で硬化し始めてしまうのでこうはいきません。もちろんSSPにはSSPの利便性もあるのですがその辺はこちら(Mr.SSP 瞬間接着パテ 良いも悪いも正直レビュー。(2021年〜リニューアル版))の記事も宜しければご覧下さい。
その他、シアノンDW+ベビーパウダーペーストのパテとして優れた特性について。
削り心地が良い
シアノンDWはそもそも硬化後は通常の接着剤に比べると硬すぎず程よい粘りのある削りやすい瞬間接着剤なのですが、ベビーパウダーを混ぜ込むことにより、より一層切削性が向上します。
粉が混ざるので他のパテに比べてサクサクとこぎみよく削れてしまう独特の気持ちの良い感触は是非試してみて欲しいです。
パーツに対しての食い付きがとても良い(剥がれづらい)
これもベースが瞬間接着剤なので当然なのですがパーツに対する食い付きがすこぶる良いです。
極端に接着面が狭いといった場合を除き、意識的に剥がそうと思ってゴリゴリ爪などで擦っても剥がれない程度にはガッチリ食い付くというか接着させることが出来るので、無理矢理付かないパーツを固定するパワープレーも得意です。
粉の量の調整によってはエッジも十分作れる。
あくまで実際にご自身で体験した上でイケるかどうかのジャッジが必要ですが、個人的には粉の量を少なめに調整したシアノンDWのペーストはしっかりとした硬度かつ粘りを兼ね揃えるマテリアルとしてあるある程度信用しています。
つまり極端に薄くしない限りは工夫次第でシアノンDWを盛った部分でもエッジを立てると言った作業は十分可能だと思って僕は削ったりしています。
便利!!って話ばかりじゃなく、弱点にも触れないといけません。
さて、毎度のことですが弱点にもちゃんと触れておきましょう。このシアノンペーストの泣き所としては…
シアノンの劣化具合によっては微細気泡が出来やすい事です。
混ぜるときに極力空気を抜くように混ぜる(こす)事、また混ぜた後に直ぐには盛り付けず少し(5分〜10分程度)ペーストを放置して液と粉を馴染ませることで、大分微細気泡の発生を防げるとはいえ、他の瞬間接着剤の例に漏れずにシアノンも開封後に鮮度落ち続けていくので、どうしても古いシアノンDWを使用した場合には小さなプツプツとした穴が硬化時に出来がちです。
多少の気泡であれば整形後に気泡の穴をピンバイス等で広げて再びシアノンDWを補填、その後硬化促進剤を吹き付ける事で即修正出来るにしても、微細気泡の発生があからさまに増えたら、諦めて新品を買い足した方が無難かと思います。
もう一つ、これはシアノンDWの弱点とはちょっと違うかも知れませんが、元々模型用品では無いため模型屋さんに置いていない場合が結構有る様です。こればかりは仕方が無いので、最寄りの、馴染みの模型屋さんに置いてない場合はホームセンターorネット通販で買ってしまうのが早いかと思います。
穴埋め、ヒケ埋め、ちょっとした形状変更まで。超万能なシアノンDWペースト!
瞬間接着剤としては少々割高な印象がありますが、シアノンDWペーストの利便性から考えれば全然安いマテリアルだったと言わざるを得ません。
というか僕自身「いやー、ちょっと高いし。別に急いで作るつもり無いからシアノンDW+ベビーパウダーは不要かな。」と当時は思っておりましたが、実際に自分で模型に取り入れてみた結果、お勧め記事書いてる程度には自身の模型製作には無くてはならないマテリアルとして重宝しています。
もし悩んでいるのであればさっさと買ってしまった方が笑顔になれると自信を持って推しましょう!
購入先リンク+買う時の注意点を少々。
"シアノン"を買うときは絶対に"シアノンDW"っていうのを買ってください。紛らわしい"シアノンSW"っていう透明なシアノン(瞬間接着剤)が存在するので注意です。
僕は間違って買って1,000円位損しました。とほほ。

シアノンの代わりにガイアノーツの瞬間カラーパテを代用してもOKだと思います。使った感想シアノンDWに比べてほんの僅か柔らかいというか硬化後に粘りというかコシがあるのが印象的です。色を選べるのは明確にメリットだと思います。

ちなみに一見普通の瞬間接着材として使えそうなシアノン"SW"ですが、こちらをプラに塗るとプラが砕けるので泣く泣くプラモに使うのは諦めましょう。諦めました。
ベビーパウダーにも注意点があって、「コーンスターチ(デンプン)」という成分が入っていない物を選びましょう。
プラモデルにデンプンが紛れ込んで良い事は無いですからね。
上記ジョンソン ベビーパウダーの成分はタルクと香料のみで安心です。
実は。シアノン+ベビーパウダーの"ベビーパウダー"よりも圧倒的にオススメの"粉"が有るんです。

記事タイトルで『シアノンDW+ベビーパウダー』と謳っているにも関わらず、ベビーパウダーよりも圧倒的に利便性に優れる粉が存在しています。それが『クレオス Mr.SSP 瞬間接着パテ』の副材の"粉"(以下SSPの粉)です。
シアノン類とSSPの粉を混ぜたときの使い勝手としてはベビーパウダーよりもキメが細かく後の表面処理時にも有利かつ、硬化時間がベビーパウダーに比べて早くなります。
硬化促進材の仕様が前提なので硬化時間は余り関係ないかと思いきや、ベビーパウダーと混ぜたペーストは厚盛りした場合には硬化促進材を使用しても表面だけが硬化していざ削ってみると「"中身"がまだ硬化してなかった!」という事がたまにあります……。
しかし、このSSPの粉を使用した場合には季節にもよりますが10分程度で内部もしっかり硬化するのでベビーパウダーに比べて正直全然使い勝手が良いのです。
ネックとしてはベビーパウダーに比べると少々お高い事と、SSPの液を持て余すことでしょうか?ただ一度買えば暫くは使えますし費用対効果は悪くは無いと思うのでより便利にシアノンペーストを使用したい!と言う方は合わせて『クレオス Mr.SSP 瞬間接着パテ』を購入すると吉です!!
下記のレビュー記事でも魅力をまとめていますが、今から新しく硬化促進剤を買うならほんとに悪いこと言わないのでこの、919プライマーを買ってください。記事タイトルの通り従来の硬化促進剤の使いづらかった部分、オールクリアしてる大変素晴らしい硬化促進剤なので!多分amazonには売ってない!

僕にとってシアノンペーストは盛りの産業革命やー。って感じだった。今回ここにオチは無く100%おすすめです。おしまい!!!