きーんこーんかーんこーん♪
今日は合わせ目消しをしますよ〜まず接着剤を用意しましょう。「ハーイ」
たっぷりと接着剤を塗って〜。「ハーイ」
ムニュっと接着します。「ハーイ」
後は乾燥したらムニュを削ってはい!お終いです!皆上手に出来たかなー?「ハーイ!!」
ってならなくない?僕はわりとならん。
ブログを真面目に書くようになってから、ガンプラを作るのと同時に基本的な工程を記録するようになりました。すると案外"教科書通りに進まない"事に気がつきました。
合わせ目消し。これホントに簡単なんですか?
大抵どのhow to本にも初歩の初歩として「合わせ目消しは簡単。是非挑戦してみよう。」的なノリで解説されていることが多いですよね。
ですが合わせ目消しを実際にやってみると意外とすんなり消えない事が多いのではないでしょうか?
僕も合わせ目消しをこれまで何度もしてきましたが、未だに一発で綺麗に消えない事が多いです。
そこで。この記事では「合わせ目消しに挑戦したけど上手く出来なかった…」という方を対象に合わせ目消しを失敗してもリカバリーで最終的に絶対に合わせ目を消す方法をご紹介していきたいと思います。
まずは合わせ目消し失敗パターンの紹介。
まずはありがちな失敗例を挙げてみましょう。
上記2画像のようにパーツがズレた状態で接着してしまった場合や、そもそもパーツが歪んでる場合に合わせ目付近に変な段差が出ることがあります。こうなるとムニュを切除して多少やすりで慣らした程度では合わせ目は消えません。
接着面が広いモナカ構造の武器等でおきる場合が多いと思いますが、そもそも接着剤が足らず、パーツの合わせ目の一部が接着されていない。もしくは接着剤は足りていたが、パーツの固定が甘くて乾燥時間を取っている間に反って咬み合いが甘くなった場合でもこういう風になります。ともかく合わせ目が筋彫りみたいな溝になってしまうパターン。
合わせ目消しで一番大切なことは?
さて。合わせ目消し失敗のリカバリー方法の具体的な解説の前に。
合わせ目を消す作業で一番大切なことを書きます。
すんなり合わせ目が消えない場合は、直ぐに諦める事です。
諦めちゃうの!?という感じですが、合わせ目消しで一番まずい行為は消えない合わせ目をムキになっていつまでも削り続けることです。
本来上手くいっていれば、合わせ目消しの作業でガシガシパーツを削る必要は無いんです。すんなり消えない時は既にエラーがおきていると思って良いです。早めに手を止めましょう。
削りを諦めたら次は盛る。
削ることを諦めた後にどうするかというと、合わせ目部をまたぐようにラッカーパテ類を盛ります。
簡略化したイラストをご参考に。合わせ目に段差が残ってしまう場合はパーツの一部が凹んでいる状態なので、そこにラッカーパテ類を補填してあげましょう。
上のイラストだけを見れば削り込みで対応出来そうな気がしますが、その場合凹んでいない部分。
つまり合わせ目が存在する面を全体的にヤスる事になります。
単純に手間も掛かるし、元のパーツの形状を変えてしまって歪にしがちです。
ここは急がば回れ。落ちついて足りない部分を補った上で合わせ目に再度アタックする方が結果的に手間も掛からず良い結果といったクオリティも得られやすいのです。
ラッカーパテの落とし穴。
さて。上記で僕も書きましたし、その他多くのhow toでもこういった小さな段差を埋めるのに最適なのはラッカーパテと謳われがちですが……。
ラッカーパテが対応出来るのはホントに小さな小傷程度。そう思っておいた方が無難かと思います。
上記画像は旧キット、旧ザクのふくらはぎの合わせ目をずらして接着させてしまったので、とりあえずラッカーパテを補填し、1週間程度放置した物です。
ふくらはぎ下部の段差が見事にヒケている……削る前から早速不安な状態ですが、まぁ削ってみましょう。
一見良い感じに段差を埋めているように見えますが分かりやすい用にサーフェイサーを吹いてみます。
"このへん"の黄色い辺りに段差が残っています。
僕はマスキングテープの厚さ(高さ?)を超える位の段差の解消にはラッカーパテは向かないと思います。
希釈率を低くして粘度の高いラッカーパテを上手に厚く盛り上げることで一時的には段差を解消することが出来るかも知れません。
しかしそれではラッカーパテが引け(揮発)続けてしまい、いつの日にか段差が浮かび上がってきてしまう事にもなりかねません。
えぇー。じゃあどうすんだよ。って話になるかと思いますので…下記の方法を取ります。
大きな段差には「ヒケづらい盛れる」パテをつかう。
となるとエポパテ、ポリパテ(ポリパテは若干怪しい)なんでも良いんですが、僕は作業スピードを考えて。
瞬間接着剤+ベビーパウダーを混ぜた物を使用しています(それはパテなのか?)
瞬間接着剤は殆どヒケる事がないので、合わせ目の段差に対してどの程度塗り込めば良いのかが分かりやすく、更に硬化促進剤(おすすめは919プライマー)を併用することで塗った側から硬化させて段差消しの作業をスピーディーに進められるというラッカーパテには無い大きなアドバンテージもあります。
ベビーパウダーを混ぜる理由は、粉を混ぜる事により粘度が増すので必要に応じて厚く盛れる事と、粉を混ぜると乾燥後の切開性が良くなる(サクサクと削れるようになる)からです。
追加補填を施して削って慣らしたふくらはぎです。段差が綺麗になだらかに。合わせ目が消えました。
ベビーパウダーに通常の瞬間接着剤を混ぜる際に粉の量が多くなればなるほど、混ぜ物の硬化速度が速くなりますし、粉を混ぜすぎると塗装の際にラッカーを吸ってグダグダになる場合があります。
液と粉の量は多くても1:2位に留めておいた方が無難かと思います。
サクサクの削り心地を求めるなら……クレオス Mr.SSP(瞬間接着パテ)がおすすめ
上記の通り普通の瞬間接着材にベビーパウダーを混ぜたものでも良いのですが、硬化後若干固いというか削りづらいんですよね。
そこで同様の作業であればクレオスから発売されているMr.SSP(瞬間接着パテ)という製品を用いるとサクサクと最高に削り心地が良いので余裕があればこちらも合わせて準備して頂くと便利というか応用が利いて快適かと思います!詳細は上記の記事も合わせてご覧ください。
接着剤が足りなかった場合の対処法
バズーカの銃身を例とした合わせ目に接着剤が流れきらず、溝が出来てしまった場合も基本的には溝に瞬間接着剤を補填して乾燥後削って形を整えれば解決となるのですが、溝が浅すぎるor狭すぎる場合、上から瞬間接着剤を付けても溝に液が流れない場合があります。(上記イラスト参照。)
そんな時は、溝を罫書き針やデザインナイフ等で一度ほじくって強制的に広くしてあげましょう。合わせ目を消したいのに、合わせ目をほじくるという行為は不安になるかも知れませんが、瞬間接着剤を使用すれば多少の溝程度なら余裕で埋め切れるので、思い切って溝を広げてしまった方が安全に合わせ目を消すことが出来ます。
おわりに。合わせ目消しは簡単です。Let's トライ!!
意外と難しい?と書いてきましたが、上記リカバリー術を覚えてしまえば合わせ目消しはとても簡単な作業です。敢えて言い切りますがプラモデルを組み立てれる人なら誰にだって絶対に消しきれるはずです。
ガンプラを作品として作る事に慣れない内は手先の器用さやら、高度な技術力ってのは存外どうでも良くて、「知っているか、知らないか。」という"知識"が勝ちます。
ここでいう知識はもちろん書籍や、web上で見て読んで得られることもあれば、実際に自分で体験した"記憶"でしか得られない事も沢山あるので、まずはともかく「やってみる」ことが大切です。
それにプラモデルは失敗しても誰にも怒られませんからね。
この記事を書いている今現在。僕は旧キットを制作しているんですが、合わせ目部分8割失敗して絶賛修正中です。流石に出来なすぎてびっくりした! おしまい!!!
通常の?瞬間接着剤とベビーパウダーを混ぜた物orSSPを補填すると便利だと上記でご説明しましたが。
埋める段差が大きい場合やゆっくり様子を見ながら合わせ目に瞬間接着材のパテ(ペースト)を盛りたい場合には上記の記事で紹介している"シアノン+ベビーパウダー"の組み合わせを使用した方が落ちついて作業が出来るかと思います。
瞬着ベースやSSPと違って硬化促進剤を振りかけないと硬化が始まらないというのがシアノンペーストの最大の"強み"ですからね。詳しくは上記記事を合わせてご覧下さいね。