RG ウイングガンダム #03 "改修工作 エポパテを使って追加フレームを表現する"

2021年8月21日

前回の制作記(#2)までで首・二の腕(上腕)・腰をプラ板にて延長工作(+実は元の可動を活かして股間接の軸も疑似的に1mm程度下に下げつつ前にずらして固定してました)。で素組みの際に感じた"上半身の寸詰まり感"を好みでシュッとしたプロポーションに調整したのですが、もう少しだけ個性を醸すべく弄っていきます。

ろろ

記事タイトルの通り今回"エポパテ"を使用して追加フレーム的な物を作っていきますよー。

まず前置きとして。エポパテを使う理由。

早速工作解説……とその前に。皆さんはどのパテがお好きですか?

僕は何かしらでパテを使いたくなる場面で、ポリパテ >>>エポパテってな感じで何でもかんでもポリパテを使用していた時期があったのですが、ここ数年ではめっきりポリパテを使う事が減ってきました。

もちろん今もポリパテの乾燥速度の速さや、硬化後の丁度良い切削性の良さに魅力を感じては居るんですが……。

ポリパテってスゲー長いスパンでヒケ続けるんですよ。ラッカーパテのように数日でヒケてくれるなら別に良いんですが、数ヶ月〜年単位でゆっくりとヒケ続けちゃうので、盛って削ったポリパテがパーツから(特にプラとの境目などで薄くなったような所)。ペリッと剥がれてしまっている事が工作終了後、もしくは塗装を済ませて完成した後から発生することが希に(場合によってはまぁまぁ)あります。

ろろ

古の知恵として、ポリパテの主材と硬化剤を混ぜるときにちょっぴり瞬間接着剤を混ぜたりするとなんぼかマシにはなる印象ですが、完全にヒケないパテになるかというとそうでもない……。

対して。プラモ用のエポパテはヒケる事がほぼありません。

更にエポパテはプラスチックを溶かす性質も一切無いので、本記事でまとめていく、ムニュッとパーツに押しつけて、硬化後にヤスリを当てやすいようパテをパーツから一旦剥がして成型する。といった"追加パーツ"を作るのに非常にエポパテが便利なんですよね。

ろろ

個人的に好みでずーっと使って居るのがタミヤの速乾タイプのエポパテ。混ぜてから1時間〜でほんのり硬くなり始めて、2〜3時間で半硬化(このタイミングでナイフなどでスルスル切れる)、6時間〜半日で硬化。1日〜2日置いておけば完全硬化。それ以降はヤスリを当てても目ずまりしづらい。ってな具合が好みです。完全硬化後はキンキンに立てたエッジでも無ければ爪をギュッと当てても殆ど凹まない程度の固さも丁度良いんですよねー。

とはいえ。ゆるーいペースト状のパテを使いたい場面ではどうしてるの?

パーツを土台として太らせる(ボリュームアップ)工作をする際には硬化前の粘土っぽいエポパテは盛りつけづらいので、ポリパテのような緩いペースト状のパテをヘラなどでコテコテと塗りたい場面も当然あるのですが、代替としてシアノン類(硬化速度がやたら遅い瞬間接着剤)+ベビーパウダーを混ぜた"瞬着ペースト"を使用するようになりました。

混ぜるベビーパウダーの量の"見極め"によってはポリパテに比べて更に切削性を上げる事も出来ますし、硬化促進剤をコンボで使用すれば、ポリパテより更に早く硬化して直ぐ削る作業に移れるので、いよいよポリパテを使うメリットが僕には無くなってしまったんですよね。

何なら今だと光(or UVライト)で硬化するタイプのペースト状のパテや接着剤なんかも存在するので試しに色々自分に有ったパテを改めて探してみると楽しいかも知れませんね:-)

"剛性強化フレームパーツ"的なパーツをエポパテで新造する方法。

毎度の事ながら前置きがハチャメチャ長くなりましたが、ここから剛性強化フレームっぽいパーツの製作工程をまとめていきます。

フレームが外装の中から生えている感じにしたいので、外装をカット。

ズバッと! 微妙にテーパーついちゃってますね。削りましょう。

これは見た目の好みや、そこにそれが有る"意味合い"をどう捉えるかによって、やってもやらなくても良いんですが、今回僕は中身からフレームがニョキッとはみ出て外装を支えているような雰囲気を醸したかったので、エポパテを盛る部分の外装(ここでは脇の下の青い部分)をハイパーカットソーを使用してカットしました。これで内部フレームがニョキッと露出しているような感じになると思います。多分。

簡単にバチピタ新造パーツが作れる、エポパテ+リップクリームのコンボ。

新規フレームパーツでは極力ボディ外装(青い部分と赤い部分)にピタッと沿う形状を採用したいのですが、正確に寸法を取るという作業がハチャメチャ苦手というか、僕はそんな事出来ません!

盛りの段階である程度狙った形が作れるエポパテのメリットをガン無視で多めにボテッと盛るのが僕です。

そこで活躍するのが、硬化前なら粘土みたいな素材感のエポパテなんですね。何も考えずパーツと練り合わせたエポパテの間となる"面"にリップクリームをベロベロと塗って(リップクリームが離型剤の代わりになる)、柔らかいエポパテをムニュ……っとパーツに圧着すると、その圧力により勝手にパーツの形にエポパテがムニュり……。と変形するので、簡単に元のパーツのアウトラインにピタッと沿ったアフターパーツの土台みたいなのが作れるんですよね。

ろろ
手前が未調整。奥側がグレーの引っかかりそうな場所をカットした状態。

手前が未調整。奥側がグレーの引っかかりそうな場所をカットした状態。
簡単ではあるものの、エポパテを押しつける部分がやたら凸凹していたり、釣り針の返しのような形状の部位が押しつける面(内部)に有ったり、それなりに"押しつけ方"の工夫が必要にもなります。そこら辺は実際やってみて、「あぁぁぁぁぁー!!失敗した!!」を繰り返しながら覚えていきましょう。しくじっても最悪パーツ請求があります!!!(めんどいけど。)

ムニュっと付けたエポパテの塊をパーツらしくカット(削る)する。

ボテッとしたエポパテの塊をザッとノコで切って……。
ゴッドハンドのFFボードアクリルに180番のコバックス布やすり貼り付けた奴でザッと削る。

エポパテが硬化し終わったら、あとは気合い根性で刃物で切るなり、ヤスリで削るなりしてそれらしく、フレームっぽく見えるように整形します。

ろろ

最近ペーパー類の当て木にゴッドハンドのFFボードアクリル買ったんですが、軽いのと程よい厚みがハチャメチャ好みでした。もっと早く買えば良かった。アクリル製なので今まで使って居た木製の板と違って、両面テープのノリが残っても洗剤とか水で洗えるのもバッチグー。粗目のペーパー類とコンボでエポパテの塊にも難なくエッジが作れますね。

揃えたいパーツをくっつけて削れば……まぁ大体同じ形になります。

単体の新造パーツなら良いんですが、左右用意しないと駄目な場合、例えば上記の画像のように片方先に形出しをしたエポパテの新造パーツに、未加工の反対側のパーツを瞬着などで貼り合わせてガイドにして整形するなり、なるべく同じ形になるように色々な小細工で対応したりします。

エポパテを沢山盛ったのにもかかわらず、削り過ぎて足りなくなった部分にタミヤ光効果パテを補填している悲しみの図。
何やかんや、この位でよしとしましょう。

おおよその形はとりあえずこれでOKという所まで成型が済んだら、全体のバランスを見ながら新造パーツのディテールを決めていきたいので、一旦この位の"削りっぱなし"でストップしておきます。

ふんどし下部にもモノフレームっぽい感じのを新造。

ここも脇下と同じでふんどし周りのアウトラインの調整的なノリでムニュリ。

ここらは左右が無く、新造するパーツが1個で済むので気が楽ですね。同じくムニュッとエポパテを付けて硬化を待って……。

硬化後ザッと形出し。背面は多分もっと小さくするなりプラ板併用してメカメカしい感じにしたいと考えています。

見た目と転倒予防もかねて。 踵に爪っぽい出っ張りを追加。

気になる"かかと"様。

RGウイングガンダムでもぅ1つ気になっていた部分があって、踵がシュッと跳ね上がってるというか、前後に短い感じがしていました。プラ板を貼って大型化&形状変更をしようとも思ったんですが、そうすると伸ばした部分と、足の裏のディテールの帳尻合わせがしんどそうな気配がプンプンするので、別の手段でラインを変えてみましょう。

まず手始めに、おもむろに鉛筆でマーキング。大体同じ場所!って気持ちのみで何も測ってません。
穴を空けて真鍮線を刺して。
リップクリームをベロベロと塗り付けて。
その上からエポパテをムニュリ。ほのかにキョロちゃん風味を感じる。

こういうフラットな場所に何かを後付けする場合、真鍮線を予め仕込んでおくことで、形を出した後に軸打ちした時に軸がズレてしまったといったトラブルがある程度防げるのと、単純に接着後の強度が稼げますし、良いこと尽くめですよ。

爪っぽいパーツの底面をスリッパに合わせて平らに整形した面同士を貼り合わせて。
揃え揃え揃え……と熱い気持ちを込めて左右同時に削って行くと……。
大体オッケーってな感じになります。気持ちが大事。
スリッパのラインが大きく変わりました。ちょっと大きいかな?サイズ感も要調整ですね。

跳ね上がって見えたかかとが、スチャーンと地面に向かって伸びて見た目のヌタッ……とした安定感が増した感じがするので満足です。

ウイングガンダムは羽が重いので後ろに転けやすかったのが、この爪の効果でマシになったのも理に適っていて良いじゃ無いか!と自画自賛しております。(更に重り仕込みたいけどスペースが無い……)

今回の工作まとめ。

前記事迄の工作(before)
本記事の工作(before) 水平取れなすぎててやばい。
  • 両脇の下に剛性フレームっぽいパーツを新造。
  • 腰のパーツ下部で1.7mm延長して隙間が出来た部分に合わせてそれっぽいフレームパーツを新造。
  • 可動域のある股間接をせり出した状態でフレームというかカバーっぽいパーツを新造。
  • かかとに爪っぽい出っ張りパーツを新造。

ちょっとした出っ張りをいくつか追加しただけなのですが、随分アウトラインの印象が変わった様な気がしますね。

元々僕はフレームを作るとなると「ディテールアップ工作」のイメージがありましたが、プロポーション変更工作を施した時に近い手応えを感じています。

ろろ

まぁ比べてる写真の角度と顎の引き具合がわりと違うので(凡ミス)そりゃ違って見えるよ!っていう声も聞こえなくも無いんですが、目で見ても何か違うぞ!格好よいぞ!という感じです。本当です。信じて下さい。

ちなみに。今回のこの手法、追加(新造)したフレームを利用してアウトラインだったりの"見え方"をコントロールする。という手法は僕が中学生の頃からずーっとファンであるモデラー、mat modeling service >>のmatさん(@Matmat825)がspaceでお話されていた狙いや効果のお話を聞いて、僕も今回取り入れてみました。

現状僕は効果を見据えて……。という域には全然いなくて、「凄く格好よいから真似っ子してみた」!といった具合ですが、実際にやってみると気が付いた事が沢山ありましたので、今後はこの工作を"自ら"採用するかしないかをしっかり"決めれる"ようになりたいですね 🙂

なにはともあれ。大まかな回収工作はこの位になるかと思います。ここからはディテール・モールド類見直し。整面や彫り起こし処理などを含む表面処理作業に移りたいと思います。

ろろ

今の所全体的に"ディテールダウン"を考えては居るのですが……。足すのもそうですが減らすのも難しかったりするんですよね。理想としては減らしながらもメリハリ感は出していきたいと考えてはいるのですが……どうしましょうねぇ。はい!!おしまい!!!

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