ガンダム アーティファクト リックディアス #03 "塗装 前編"

2021年6月29日

前回記事で基本工作(合わせ目消しやらたるいモールド類の彫り直し)を済ませましたので、主に筆を使用してガンダムアーティファクトを塗装していきましょう!

基本工作が終わったら真っ黒にする。

筆塗りで汚し塗装仕上げにするので、まずは一度全パーツをガイアカラーの黒サフを使用して真っ黒にします(この工程はハンドピース使ってビャーッと吹いてます)。

こうすると筆が入らなかったばしょや、発色具合のムラもなんならシャドーです。と言い張れるようになるので都合が良いのです。

ABSに対してのラッカー塗装について。

あ。そうそう。ガンダムアーティファクトに使われているプラスチックは『ABS』と呼ばれるラッカー塗料(塗料というかラッカー溶剤)にあまり強くない素材です。

関節などの負荷が掛かる場所や(アーティファクトは問題無いけど)、ダボ穴のキツかったはめ込み部分付近に、ビシャビシャに薄めたラッカー塗料をイキナリ大量に吹き付けて流したりすると、割れたりもげたりしてしまう事が通常のプラに比べてとても多いので、破損回避のコツとして「間接部のクリアランスを予め取っておく」「ダボ穴に切れ目を入れる等をしてはめ込みのキツさを調整しておく」。といった前準備がとても大切になります。

また、パーツを侵してモロくしてしまうのはあくまで、ラッカーシンナー(薄め液とかね)なので、塗装方法にもコツがあって、まず可能な限り濃い目(希釈率の低い状態)の塗料を薄く吹き付けて一度乾燥を待ちます。 一度乾いてしまえばABSの上にラッカー塗料の顔料の層が出来て、直接ABSにラッカーシンナーが染みこみづらい状況になり、上記のテンション調整と合わせて挑めば「割れちまったぃ!」という悲しい事故を大分防げますよ。

ろろ

まぁ一層目をそうやって濃い目、塗膜薄く吹くと塗膜の強度はそれなりに落ちてしまいますが、その辺はしゃあ無い!と軽く僕は諦めています。気にしすぎると進まないので。

シタデルカラーのスーパー隠蔽力に頼り切りって塗り分け。

黒の上からベースカラーの赤を一発筆で塗っただけでこの発色。お化けですね。これは。

今回、基本色の塗り分けは全てシタデルカラーを使用しました。シタデルカラーはバシッと発色するし、滅茶苦茶に塗りやすいんですよね。

沢山色があるので、素直にドンピシャの色を探すのが良いのでしょうが……。
もともとラッカーの民で調色大好きなのんで今回は混ぜて使ってみたり

※ベースカラーとかレイヤーカラー等の種類、もしくは色によって発色性能が異なるので、この辺もググってみて挑戦してみよう!(他力本願)

ガンダムアーティファクトも発売から時間が立ち、出そろった皆さんの作品を参考にして配色はこんな感じにしました。赤多めなディアス!

影色をバシャバシャ塗って再び基本色を面の真ん中辺りに置く。

シェイドと呼ばれる薄いウォッシング液みたいな塗料を使用して影っぽさを……

シャバシャバのシェイドカラーを影色としてザッと塗った後に、面の中辺りを狙って再び基本色をトントン塗ってボカして黒立ち上げみたいな感じにしてみましたが、画像だと尚更あんまり変化が分かりませんね。目でみてもあんまり分からない!ってのが本音です(ここは鍛錬あるのみ)。

もう一段明るいレイヤーカラーの赤をトントン……。

気持ち明るいレッド(レイヤーカラー)をフチとか真ん中にぺしりぺしりと。もぅすこしボカしたかったけど出来なかった!

影色と本体色の差(コントラスト)がイマイチ分かりづらいので、もぅ一段明るいレイヤーカラーを使用して再び面の中辺りに赤をトントン差したり、エッジ付近にもレイヤーカラーを擦り付けてみました。

もう明暗というか色の境目がぼんやりとしてくれたら良かったのですが、中々上手いこと行かないもんですね。(他人事のように言う)。

出会ってしまった、部分塗装に最ッ高に良い金色。

RETRIBUTOR ARMOUR レトリビューター・アーマーと読みます。名前がかっこいい使い勝手が良すぎる金色塗料です

ガンダムでもなんでも、シリンダーの根元は金だろ!と強く思っているのですが、これまでは一発勝負のラッカー塗料の適当なゴールドを必死で筆塗りしていたのですが、シタデル ベースカラー レトリビューター・アーマーの存在を知ってからは、もぅこれ以外に部分塗装の金色は使えないぜ!という位には滅茶苦茶使いやすいです。

金色としての発色の良さ、美しさ・塗料のノビがやたら良いのでムラも出来づらくて何か筆塗りの達人になったような感覚・シタデルカラーの特徴としてあらゆる下地を一切侵さないので気持ちも楽!と3拍子、4拍子とハチャメチャ使いやすいんですよね。

もちろんもっとギランギランに輝く金色や、しっとりと上品な金色は他にもありますが、ササッと細かい尚且つあんまり見えない部分(チラ見え程度)に使う分にはマジで最強だと思います。

ここで途中保存。セーブポイントとして"艶消しクリア"です。

続いて、もぅ少し色を重ねる予定なので、ここまで施した塩梅の途中保存と、足つきの兼ね合い上、愛用しているクレオス スーパースムースクリアーではなく、昔からあるつや消し粒子が荒々しい クレオス艶消しクリアに更にフラットベース・あらめ を少し混ぜた物をコートしてみました。

粉ふき芋か、何か……白カビでも生えた?ってな具合に軽くヒキますが、ここからこの粉っぽいザラザラ具合とバッチリ協力して格好よく仕上げるので大丈夫です!!

だ、大丈夫なはずです! ……きっと……多分。

ちなみに、シタデルカラーは水性塗料ですが、一度乾燥すればラッカー塗料を上に塗っても塗膜が溶け出さないので、気にせず上からクリアとか何でも吹けるのがとっても楽ちんで良いですね!

終わりに。

はい。と言うわけで最近使い勝手の良さを知った、シタデルカラーを使ってとりあえず影色、基本色、ハイライトで3段階の階調の表現をしてみたのですが、まだまだ思い通りとは行きませんね。でもハチャメチャ楽しい。

自分でやってみると改めてミニチュア界隈の方々の凄まじさが身に染みます。youtubeとかで塗り方動画を見て、方法自体は分かっていたつもりでも、「全然そうならんやろ」! っていう感じのギャップというか苦笑い感がとっても面白いです。凄いぜ! ペインター!

ここから先はクレオスウェザリングカラーシリーズを使用してウォッシングなり、フィルタリングなりと所謂ガンプラチックな汚し表現を追加して、何とか良い感じの着地を狙っていきます!ゴールまでもう少し!

ろろ

どう着地するかなぁ……。ってか粉ふきいも具合大丈夫かこれ?(まだ言ってる)というわけでおしまい!!!

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